Glacier Area Mapping for Discharge in Asian Mountains
プロジェクトの目的

研究の背景

近年の温暖化により世界各地で山岳氷河の縮小が進んでおり、それに伴う水資源の枯渇や海水準上昇への影響が危惧されている。氷河の変化量を見積もるには、氷河の面積高度分布が不可欠な情報となるが、これまで氷河分布に関する情報は、位置や面積の2次元的な情報に限られていた。このため氷河変化量を見積もる際、氷河面積の高度分布を仮定しており、このことが大きな誤差を生む要因となってきた。

研究の目的

アジア高山域において高度情報付きの氷河面積分布を作成し、河川流量に対する氷河流出の寄与を高い精度で明らかにする。

研究の特色

氷河の面積高度分布は数十年前の気候を反映していると考えられている。河川流出量における氷河流出の寄与は、その氷河面積高度分布と、現在の気候によってきまる氷河の平衡状態がどれだけずれているかによって決まる。この点に着目することで、氷河の質量変化による河川流出への寄与とその変化について広域にわたる研究を展開することができる。

将来的に期待される効果

将来得られる数値標高データから高度情報付きの氷河分布を再作成し、本研究の結果と比較することにより、氷河縮小による海水準への影響評価において最もデータが少ないとされるアジア高山域での氷河変化量を高精度に見積もることが可能となる。